ABC

自ら熱を発することを放棄した人間が、ぬるま湯に入り続けた結果、ぬるま湯は冷たくなっていった。そして、ぬるま湯を心地よく感じていた者たちは、その中で息絶えるか、「そろそろおいとまします」とかいって湯船から出て行った。だれも、自ら、発熱しようという発想には至らなかった。小手先の延命治療より必要なのは、君たちが原初的に持っていたはずの、あの熱気だ!