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モードの迷宮 (ちくま学芸文庫)

モードの迷宮 (ちくま学芸文庫)

「好きだ、」(c宮崎あおい)この感覚。この前、久しぶりに鷲田に回帰したついでに、こっちも読んだ。日本の女性現代作家で一人選べと質問されたら迷わず赤坂真理をあげるような僕にあって、鷲田本は理論編ということになる。ただ積極的に誰かに語ろうとか、どこかで書いてみようとかは思わない分野。自分が書いたら悲惨な文章しか書けずに途方に暮れるのは目に見えている。ファッションに興味が無いと言い張って同じ服装をし続ける人間こそ一つの様式に拘っているのだ、という詭弁といえば詭弁にも思える一節に、してやったり。

要は、問うか、問わないか、その違いがあるだけなのだ。問うに値するかどうかは、問いに直面していないひとがとやかく言うべきことではない。(26)

  • 誰かに言われたんだね。

これが書かれたのが87年。ファッションをめぐる知的情況はおおよそこんな感じだったのだろうか。87年といえば物心ついたばかりなので、当時のアカデミズムの状況など知る由もなく推測するしかないのであった。

でついでに、一挙三冊立ち読み。
メガネ男子ガールズメガネスーツ男子